ジャパンカップ【2018】考察

有力馬の考察

アーモンドアイ

正直前走時は緩めだったし、追い切りも急仕上げな印象で7~8分程度。実際、京都の内回りで決して差し馬有利ではなく、取り溢しも有り得ると思っていたが杞憂に終わり完勝で、寧ろ3冠の掛かった前走をステップレース扱い。そして今回は体も絞ってきて、2週連続コース追いのうえ動きも抜群。他の馬で飛び抜けて良化したように感じる馬は皆無。斤量差を考えれば、控えめに言っても3着を外す理由は見つからないように思う。敢えて挙げるなら、古馬一線級との初対戦と、最内枠に納まってしまった事。捲り上げる馬ではないので、この馬の脚質を考えれば中枠くらいで丁度良かった。サトノ2頭に進路を抑えられると直線抜け出すスペースが少なくなり、取り溢しの可能性も出てくるかも。

サトノダイヤモンド

長い迷走から、前走勝ちで復活の狼煙を上げたように思いたいが、幾ら馬場が緩かったとはいえ、勝ち時計も平凡で相手関係も一枚落ちる。今回追い切りでは動きの良さが目立ったが、其れでも全盛期から比べると躍動感が足りない。エンジンのかかりが遅い馬だけに、直線でスムーズさを欠けば頭までは難しい。この馬も内に進路を取れば、前が塞がる可能性も否定できず、恐らく直線は外に出せる位置で進めたい筈。前走の京都外回りがベストの条件だと思うし、そこで圧勝できなかったのは痛い。印象としては、旬を過ぎた5歳秋のディープ産駒。サトノクラウンの補助があれば若干有利に運べるだろうが、展開が向かないと厳しいのかもとの理由から連下~相手まで。

スワーブリチャード

前走は発でマカヒキに激しくアタックされ後方から。直線向いてムチを何発も入れられ追われたが、伸びる気配はなく最後は其れなり。展開は明らかに向かなかったのは確かだが、最後の伸びも無かったのには不安が残る。抑々、当馬は内~中枠からのレースが多く、発から出していって内の経済コースを通り、早め先頭押し切りがコノ馬の勝ちパターン。斬れる脚ではなく、長く使うタイプなので前走は正直負けパターンだ。大外から上がり最速で突っ込んでくる馬ではないと思う。今追い切りは2週続けて緩いのだが、春での好走時も同様に最終追い切りは緩いから然程心配は要らないのかも。前走負けパターンに陥り追えなかった分だけ結果消耗度は低く、叩き2走目と考えれば前向きな部分が出てくる。今回は好位に付けるというハナシもあるので、アーモンドアイの届かずを考えると、連下~頭まで。

キセキ

極悪馬場の菊花賞勝ちを経て、欧州遠征後は中々結果が出なかった馬が、毎日王冠をキッカケに天皇賞秋でも逃げて少差3着に残す。やっと本来の姿にもどりつつある。これは、ルーラーシップ産駒の成長曲線とシンクロしたからではないかと思っている。今追い切り見ても、四肢を目一杯に使った走りは目を引いた。只、体がギリギリな線。究極な仕上がりなのかデキ落ちなのかには、後者をとる。栗東所属馬が、今秋に毎日王冠→秋天→ジャパンカップと、短期間の間に関東圏へ3回も遠征。然も、前2走とも消耗度の高い2戦であり、更に前走はマイルのペースで逃げてゴール迄目一杯。少なからず疲労が残ると考えるのが自然だ。動きの良さから馬券内に来ても、頭まではないと決め打ち。そして、トビの大きいフォームから府中は合うのだろうけど、印象的には距離伸びて良いとはどうしても思えない。1600m~2000mがベストではないだろうかとの理由から連下~相手まで。

シュヴァルグラン

前走は休み明けでの4着で、休み明けというよりは京都のコース馬場が合わなかった考えるのが自然。ただ若干負け過ぎ。大阪杯、春天からみても恐らく加齢によるズブさが増した印象。今追い切りを見ても、2歳馬相手に坂路半ばまで追いつかず、追われても持ったままの相手を追い抜くのに一苦労した。昨年は馬なりで楽々追い抜いたのに。ステップは昨年と一緒だが、良化のペースも鈍くなっているのだと思う。狙うなら有馬記念となりそう。只、一昨年3着、昨年1着とコース適性は言うまでもない。けれど昨年より条件は厳しくなり、今の府中の時計を考えると昨年以上のパフォーマンスが出せるとは考え辛い。連下まで。

ジャパンカップーまとめー

 本命にするのは初めてだけど、アーモンドアイから。追い切りの良さ、前走からの上昇度、4kg差の重量、終いの決め手、其れに古馬にこの馬以上に良く見えた、或いは条件の好転する馬が見当たらず。鞍上ルメールは、キセキにも跨っていて其れを見て競馬ができる強味もある。

 唯一残念な前走だけ目を瞑れば、スワーブリチャードはステップは申し分なく、Mデムーロなら信頼できる。距離伸びて良いハーツ産駒で、古馬の中では一番消す要素が少ない事。対抗に。再度。

 あとは、難儀な前走京都大賞典組。サトノダイヤモンドは前走が見せ場で、パフォーマンスが上がる印象のない東京、モレイラ騎乗といっても東京コースは他馬ほどは得意としてない事。寧ろ、シュヴァルグランの方が条件は好転する筈だが、ボウマンが乗れずだし、良化がスローである事から、やはり連下まで。

 前走アルゼンチン共和国杯組は、勝ち時計も遅くレースレベルに疑問符が付き、勝ち馬ではない。更に、ウインテンダネスは外に納まり57kg、ノーブルマーズは来年結果残して出てきたらで、どちらも消極的。

 ミッキースワローは初コースだし、追い切りのシルエットから触手伸びず。ステップもちぐはぐ。ここで好走するようならそれ以降からでも。

 近年では馬券内に全く絡まない外国馬だが、日本の古馬勢はどの馬も不安要素の方が大きく、可能性も一考。拾うなら、外に納まったカプリよりは、此処を照準にしてきていて血統筋からも馴染みのあるサンダリングブルー。