カテゴリ: レース考察

天皇賞・春(2019)レース考察です。

有力馬の前哨戦

阪神大賞典のレースイメージ

 早め先頭から後続を突き放した、シャケトラの勝ちっぷりには目を見張るものがあるも、太目残りのロードヴァンドール、海外帰り緒戦のソールインパクトらが上位に来たレース。で、勝ち馬以外は食指が伸びない。

  • 11頭と少頭数で面子が揃っていない
  • 前半ある程度流れての差し馬向きの流れ
  • 成長ピーク越した馬が多数出走
  • 勝ち馬以外、総じて順調さを欠く馬ばかり
  • タフさを求められる割合強く、当レースとの適性差が大
日経賞のレースイメージ

  • 近年通りだが、12頭と少頭数
  • 道中ドスローの前残りレース
  • コース&距離適性のある馬が結果を出したレース

 武豊騎乗のメイショウテッコンが抜群のペース配分で逃げ残った云わば騎手を誉めるべきレース。エタリオウは早めに捲り上げての2着で、是は流石も、矢張り勝ち切れない処は相変わらず。以下は成長のピーク過ぎた馬、調子が上がらない馬、重賞だと物足らない馬が殆ど。前年度3着馬クリンチャーも凱旋門賞挑戦以降2戦は調子落ち。

日経新春杯のレースイメージ

  • ステップレースとしては弱い
  • 前半ハイペースの差し馬向きの流れ
  • 異様に時計の掛かる京都の馬場

 武豊のメイショウテッコン出遅れからペースを作れず、3角から大捲りにてレース終盤で一気に動き、結果其処で僅か溜めの効いた馬が上位独占の差し馬向きの流れ。此処からの直行は勝ち馬グローリーヴェイズのみで、他3頭は更に日経賞へ駒を進めての臨戦。

AJCCのレースイメージ

フィエールマンのみ

  • スローの前残りレース

 前半スローで基本前残りも、前行った馬が崩れた為に其の後列の馬が上位にイン。然し、後ろ過ぎだと届かない流れのレース。勝ち馬シャケトラは1年以上のブランクあり、コース適性や距離適性を加味しても、終わってみれば勝ち馬が強かったという事。菊花賞以来となったフィエールマンは、勝ち馬の後ろであった事と、余裕残し分だけ伸びあぐねるも、57kg背負っての結果であり、菊花賞馬の力は見せた。3着馬は単にコース適性であると捉えている。



有力馬の考察

フィエールマン 

 一週前でほぼ仕上がっており、当週は併せたが軽め。只、気懸りなのは鞍上ルメールが手控え気味に乗っていたほど前向き過ぎる処。仕上がりの良さはあるが、逆に其れが仇となる可能性も否定は出来ない。従来なら、大幅な追走から相手を抜き去るケイコなのだが、今回は直線で相手を引っ張り気味に我慢させていた事。行きっぷりの良さがありきだが、或る程度前めでレースを運ぶ意図もあるのではないだろうか。更には、2週目3角から一気に動き易いレースだけに、ここで我慢が出来るのかと一緒に動いて最後迄伸びきれるかどうか。この辺りは懸念する処である。然し、この面子の中で能力の高さを感じる最右翼。強い馬は理屈でなく単純に強い。

 昨年菊花賞出走の4歳馬が人気上位を占めるが、大半が前走55kg以下の斤量で、ユーキャンスマイルにあたっては54kg。この馬だけ57kgを背負っての少差2着。それも負けたのが阪神大賞典を圧勝したシャケトラであるのだから、事後的に当馬の強さは測れる。折合いを欠かなければだ。

エタリオウ 

 菊花賞は僅差の2着。前走は日経賞を早めに捲り上げたが、勝ち馬メイショウテッコンに届かず。仮想今レースの内容で久々の分を加味しても、早めに仕掛けると思った程伸びないというのを露呈した様にも見える。更には、後方からの競馬の多さと勝ち切れなさ。主戦Jもあまり馬込みは好まないとは思うが、当馬自体に馬込みに入れられない理由があっても不思議ではない。そして2番枠に納まった事に拠り、或る程度出していくか、従来通り後方からかの2択の可能性が高くなった。当レースと相性の良いステゴ産駒ではあるが、前走の結果も踏まえ未だ1勝馬。過度な期待はよろしくない。春クラシックで活躍し、菊花賞2着ならまだしも、菊花賞のみ2着という馬は案外な事も多い。勝ち切るというのは競馬に於いて大事な要素である。

ユーキャンスマイル 

 前走ダイヤモンドSは強い競馬だったが54kgで相手はOP特別レベル。菊花賞は武豊Jが内で我慢させ終い迄溜めて捌いた結果。元々右にモタれ癖のある馬で、右周りが歓迎ではないのは確か。追い切り時にも書いたが癖の強い馬。昨年のように、岩田Jが余程内を巧く捌いてくれば話は別だが、ステップとしても弱いダイヤモンドS組で、2走前はヴォージュに負けている。どうしても好走するイメージが湧かない。

クリンチャー 

 昨年の3着馬だが、其れ以降の海外遠征後は結果が出ておらず。然しケイコの動きは上々。近年良く或る海外遠征で調子を崩した可能性もある。だが、一見大敗に見えるのは、GⅡ以上のグレードレースで共に中山2500m。是を含めた中山成績(0-0-0-4)に対し、京都での成績は(2-1-1-0)の複勝率100%。此処から内回りの未勝利戦を除けば、京都外回り(1-1-1-0)で、うち長距離GⅠを2着ー3着&一線級古馬初対戦でGⅡ戦を勝利しており、京都後者なのは間違いない。中山でも、高速決着だった皐月賞を前目の好位から4着と好走しており、前掛かりからのスピードの持続力には秀でていて、如何にも今走向きな印象である。更には、昨年当レース以来の今季絶好調男の三浦Jが鞍上で、人気は然程変わらぬも、昨年程のプレッシャー無く楽に乗れそう。展開も今年の方が向きそうだし、プラス要素が盛り沢山にて抑えぬ手はない。昨年の好調時と同じくらいの状態にあるかどうかがポイント。

メイショウテッコン 

 前走は日経賞を武豊Jの絶妙なペースでの逃げ切り。単騎逃げの楽な展開でもあった。2走前は出遅れから3角で大捲りを仕掛け撃沈であり、この競馬は合わない事が解った。拠って、無理をしてでも前目には付ける筈だ。他2頭程度ハナを主張しそうなのがいて、番手に納まるのがベターだろうが、逃げても問題ないだろう。只、カッカし易い性格だけに、折り合いを欠かず気分を損ねず運べるか如何かがポイント。其の意味でテン乗りの福永Jに同型数頭はちょっとね。個人的には長距離向きの馬ではないと思ってるので。成長力で何処まで残せるか。

グローリーヴェイズ 

 日経新春杯勝ちからの臨戦。其の前走は、内で巧く立ち回ったとは言え、一時突き放す強い競馬で、前半も流れた上にテッコンの大捲りで3角から慌ただしい展開に。今走の試走としてはこの上ない展開だったと思う。京都外回りは(1-1-0-1)で、複勝圏を外した菊花賞は、大外枠から内に入れられず直線大外をブン回しての上がり最速での掲示板確保と、内容的には濃い。今走は前行きそうな2頭が内に納まる中枠の絶好枠を引き当てた。ディープ産駒ではあるが、キレキレの脚質ではなく、長く良い脚を使うタイプで、昨年夏の古馬初対戦時に、前目でも良い脚を使って勝ち切っているのは強味。更には、牝系はスタミナ豊富のメジロの流れを組む優秀な血筋。ひと昔前迄は、春天と言えばメジロ。平成の最後で来たら感慨深い。

パフォーマプロミス 

 前走は京都記念4着からで、直線でオッと思うくらい伸び掛けるも終いは失速。福永Jが内をロスなく周ってきただけに案外。消耗してないとはいえ矢張り7歳馬なのだなと感じた。当週は珍しくポリトラックコース追いで早い時計を出していない。脚元の不安が・・・とも思うが、意外とこのケイコの内容は当レースに向くのでは?と個人的には思っている。更には、今開催の京都コースは年明けから続いた、時計を要す馬場から一転し、早い時計での決着が目立つ。当馬も中山コースは歓迎のクチではないし、早い時計の出る京都の馬場は向くはずで、このレースに強いステゴ産駒。穴ならコレ。



天皇賞・春まとめ

 京都コース、展開と今レースで向きそうな、
グローリーヴェイズ、フィエールマン、クリンチャーの中から勝ち馬が出ると想定。

 前めに付けても最後脚を使えそうなタイプを上位に。前に行きそうな3頭は、後続を突き放す大逃げにでもなれば、行った行ったの可能性もあるが、早めに詰められたら纏めてTHE ENDになると思われる。前開催迄の時計を要す馬場ではなく、早い時計の出る馬場。前行っても止まらない例年通りの馬場状態となり、大外からの捲り一閃だと厳しい。

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